シエラ、襲来

30/31
前へ
/1045ページ
次へ
その綺麗な指先が、ブレイズの頬を愛おしそうに撫で回す。 「ブレイズさぁん。私の部屋まで案内しますね。」 グッ、と、シエラがブレイズの襟元を掴んだ。 そしてそのままシエラより30cmは身長の高いブレイズが引っ張られてゆく。 「いひゃぁあああああっあっ!!!」 ブレイズはわめき声をあげるが、シエラの謎の怪力になす術もない。 「哀れだな。」 「だずげで!!レンジィイ!!!」 シエラがブレイズの身体を部屋の外へと引っ張り出し、ブレイズの姿は見えなくなった。 だが、その絶叫は未だに廊下に響いている。 「何の騒ぎかと思えば、またあの2人なのね・・・。」 と、開けっ放しになっているドアの前に、ピアスが現れた。 「また、って、よくある事なのか?」
/1045ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58023人が本棚に入れています
本棚に追加