デンシ・レンジ

処刑の日(テスト返却日)

Here's to you ～♪

そんな明るくもどこか悲しいフレーズがレンジの脳内で流れる程に、今のブレイズの様子は悲惨だった。

あの恐怖から早二週間と少し。

テストの返却日がやって来たのだ。

机に突っ伏しながら意気消沈しているブレイズの様子は、まるで冤罪のありもしない罪の償いのために死刑台へと向かう死刑囚のような哀愁を漂わせている。

いや、もしかすると、彼にとっては最早この学校、教室自体が監獄のような物なのだろう。

そうならば、彼が今座っている椅子は電気椅子と言ったところか。

どうでも良いような考えに思考を凝らす少年、レンジ・シラタニはテスト返却でざわめく教室の中、唯一退屈そうにしていた。

別に結果が悪かったという訳では無い。

むしろ良かった方だ。

ただ、結果に興味が無いだけだ。