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つまり、この壁に開けられた弾痕は、この世界の住人にとってはとんでもない速度で放たれた魔法によってできた物、と映るのだ。
目には見えないほどのスピードを持った魔法。
その憶測は、男子生徒の恐怖を煽るには十分すぎる程の効果があった。
と、その瞬間。
甲高い風を切る音を出しながら男子生徒の右頬を掠めていった銃弾が、壁に深くめり込んだ。
前方を見ると、レンジが左手に持つフリーダムの銃口がこちらを向きながら煙を吐いていた。
「発破。」
爆風。
レンジのつぶやきと共に、男子生徒は後ろからの叩きつけるような風圧に吹き飛ばされる。
壁に打ち込まれた銃弾が炸裂したのだ。
同時に砕け散った壁の破片と共に前方へと吹き飛んで行く男子生徒の目の前には、ポッケに手を突っ込んだま不敵な笑みを浮かべたレンジが・・・。
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