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「悠斗さん!」
待ち合わせ場所である正門前に走ると、そこにはすでに悠斗さんの姿があった。
カジュアルなジーンズ姿が魅力的で、自然と周りの視線……特に女性からの視線を集めているようで、ちょっと緊張する。
走ってきた私に気付いたのか、悠斗さんは柔らかな笑みを向けてくれる。
「椿、悪いな。わざわざ迎えに来てもらって」
「そんな!私の方こそ、忙しいのに来てくれてありがとうございます」
校舎から走ってきたから、若干息が上がったまま伝えると、悠斗さんの手が私の頬に寄せられた。
ほんのり冷たい手が気持ちいい。
「……行きましょう。さっき美味しそうな出店を見かけたんです」
「あぁ、俺もお腹がすいてきた」
頬に当てられた手がゆっくり下がって私の手を包み込む。
なんか周りから悲鳴が上がった気がしないでもないが、気にせずギュッと握り返した。
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