第8話

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―――――― ―――― ―― あれから大量に買い集めた戦利品を消費して―正直今日はもう何も食べたくない―ぶらぶらと当てもなく校舎の中を見て回った。 写真部の展示やクラス展示のお化け屋敷、プラネタリウム。 私は一年生のときにも体験していたけれども、悠斗さんは文化祭自体が初めてらしく予想以上に楽しんでくれている。 留学していたと聞いていたけれど、中学卒業と同時だったらしくおまけに飛び級で大学に通っていたからこういう学生行事は慣れてないらしかった。 飛び級で大学生って…… 「椿、次はどこを見に行こうか?行きたいところは?」 「えーっと、悠斗さんはどこがいいですか?」 「そうだな……」 真剣な目でパンフレットを確認しつつ口元が緩んでいるように見えるのは気のせいではないはず。 忙しい人だから誘うのを躊躇っていたけれど、今となっては誘って本当に良かった。 「じゃあ、ここがいいな」 「どこです?」 悠斗さんが指を指した場所は……
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