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沖「んで、侠華はどうするんですかィ?」
侠華の隣に立った沖田は言った。
侠「どうするって?」
侠華は不思議そうに首を傾げた。
沖「それだけ強いと、女中じゃ勿体ねェんじゃねェですかィ?」
沖田の言葉に近藤は納得したように頷いた。
近「それもそうだな……。そうだ!一番隊に入れたらどうだ?」
土沖侠「!?」
いきなりの提案に近藤以外の全員が固まった。
土「近藤さん、侠華が強いのは分かるが、どうして1番隊なんだ?」
土方がそう尋ねると、沖田も少し戸惑ったように言った。
沖「そうですぜィ。何で俺が面倒見なきゃいけねェんですかィ。」
近藤はそんな2人をなだめるように言った。
近「まぁまぁ。侠華ちゃんの強さなら、1番隊でも十分大丈夫だろう。それに、総悟になら任せても安心だろう。なぁ、トシ?」
土方は、少し不服そうに眉間にシワをよせたが、沖田と侠華を交互に見て、表情を緩めた。
土「……そうだな。侠華、お前を今日から1番隊副隊長に任命する。」
いきなりの決定事項に戸惑う様子もなく、侠華は笑顔で答えた。
侠「おぅ!総悟…だよな?よろしくな!」
不意討ちの笑顔に少し照れた沖田は、顔を背けて言った。
沖「お、おぅ…。」
そんな沖田の様子を横目で見ていた土方は、道場を出ていく際に、沖田の耳元で言った。
土「侠華にゃ、手ェ出すなよ。」
土方が道場を出ていった後、沖田は誰にも聞こえない声で呟いた。
沖「あーあ、バレてやしたか。まぁ、いいか。その方が面白いし。」
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