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その刀をに置いて道場へ行くと、隊士たちが稽古をしていた。
土「!?」
土方はその光景を見て、驚いた。
侠華が皆と一緒に稽古をしているのである。
入り口に立つ土方に気付いた侠華は、動きを止め、汗を拭いながら言った。
侠「兄貴!遅かったな。一緒にやろうぜ。」
土「お前が何でここにいるんだ!」
土方は思わず叫んでしまった。
その声に驚いた他の隊士たちが、一斉に土方の方を見た。
侠「何でって……。一人でいるのはつまんないから。」
侠華は、髪をかき上げながらさらりと答えた。
土「つまんないって…。そんな許可出した覚えはねェぞ。」
土方は侠華を睨んだ。
近「まぁまぁ、トシ。そんな恐い顔するな。」
すると、土方の後ろから木刀を持った近藤が現れた。
土「近藤さん!何か言ってくれよ。侠華は女中の筈だろ?」
不機嫌な土方は近藤の方に向き直った。しかし、近藤は笑顔で侠華を見てから言った。
近「稽古に出る許可なら、俺が出した。」
土「何でだよ!」
土方がそう言うと、沖田が木刀を肩に担いで土方の方へ向かってきた。
沖「まぁ、土方さん。それを言うのは、こいつの腕を見てから言ってくだせェ。」
すると、周りの隊士達も一斉に頷いた。
その様子を見た土方は、木刀を手にし道場の真ん中に立った。
土「侠華、手合わせといこうじゃねェか。」
侠華は嬉しそうな顔をして、土方の前に立った。
近「一本とった方が勝ちとする。」
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