Ep1出会い

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土「お前の名前は?」 ?「寒蝉侠華だ。」 いつの間にか部屋に来ていた近藤が、侠華に笑いかけながら言った。 近「侠華ちゃんか。良い名前だな。」 そう言われて、侠華は少し恥ずかしそうに俯いた。 近藤の後から現れた沖田は、侠華の持っている刀をじっと見ていた。 沖「何処で手に入れたんでィ?その刀。」 侠華は刀を握る手をいっそう強くした。 侠「これは私の家に代々受け継がれてきた『龍刻』だ。」 土方はその名前にハッとした。 土(龍刻…?俺の刀と同じ名前!?いや、そんな筈ない。何かの間違いだろう…) 俯いて、考え込んでいる土方を見た近藤は、不思議そうにしていたが、侠華の草履を見て尋ねた。 近「その草履…。侠華ちゃん、何処から歩いてきたんだい?」 侠「細かいとこまで気付く人だな。武州だよ。」 近土沖「!?」 3人は顔を見合わせた。 それもその筈。武州は3人の故郷なのだから。 沖「俺達も武州から来たんでさァ。」 侠「そうなのか!?お前達とは気が合いそうだな。」 笑顔答える侠華に、沖田は少し頬を染めた。 土「お前をここに置くと決まった訳じゃねーんだがな…。ところで、お前は何で江戸に来たんだ?」 土方は煙草に火を付けながら尋ねた。 侠「兄貴を探すためだ。生き別れらしくって、顔は見たことないんだが、兄貴の話はよく聞いた。確か名は………土方…十四郎だったかな?」 近土沖「!?」 あまりにも突然な言葉に、近藤は固まり、沖田は障子から滑り落ち、土方はくわえていた煙草を落とした。 侠華は不思議そうな顔で3人を見ていたが、いきなり目を見開き、土方を指さしながら叫んだ。 侠「……あァァァ!!お前!さっき、ひ、土方十四郎って」 その時土方の頭の中で、全ての違和感が1つに繋がった。 初対面にも関わらず、屯所に連れてきたこと。武州出身なこと。そして、土方と同じ、『龍刻』という刀を持っていること。 土(ということは…マジで……) 深い藍色のつり目に漆黒の髪。顔は整っていて、スタイルも申し分ない。 その容姿は、土方と並ぶと、兄妹であることは明白だった。 近藤が見たことあると思ったはずだった。 やっと思考回路が元に戻った4人は叫んだ。 土侠近沖「こいつが俺(私)(トシ)(土方さん)の妹ォォォ(兄貴ィィィ)!?」 こうして、波乱の日々が始まったのであった。
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