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「きゅ~……」
遥か先に走り去ってしまった鹿を見つめながら、逃がしちゃった……と呟く。
「きゅ!?きゅー!きゅきゅー!」
突然怒り出すと、羽を広げ鹿が逃げた方向へ一直線に飛んで行く。
視線の先には、鹿を襲いとどめを刺している熊。
「ぎゅいぃぃぃぃぃ!」
よくもぼくの獲物をー!と威嚇の声を上げ、熊目掛け突進する。
突進した瞬間、ドゴン!っと凄まじい音が響いた。
反動で熊もゴッキーも後方へひっくり返る。
「グルルルル!」
熊は凄まじい勢いでゴッキーの硬い外郭に突進されたせいか、腕の骨が折れたようだ。
それでも尚、勇ましく威嚇する。
「ぎいぃぃぃぃぃ!」
ゴッキーも負けじと、己をより大きく見せるために羽を広げ、威嚇する。
熊は己の不利を悟ったのか、威嚇をやめ去っていった。
「きゅー♪」
触角をぶんぶん振り回しながら、大の食料が確保出来たと大喜び。
鹿の角をくわえ、引きずりながら帰っていく。
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