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「きゅ!」
少々強引ではあるが勝ち取った獲物の鹿を隠し終わり、満足げに鳴き声を上げる。
その場を離れしばらく歩く。すると、背の高い植物が密集する地帯に出た。
背の高い植物が密集しているこの地帯は危険生物も多く、危険だ。
勿論身を隠しやすいために多い。
「きゅ~……」
ゴッキーは大のことが心配でたまらない。
自分のように鎧のような身体をしている訳ではない。戦うための牙さえない。
簡単に牙を通してしまう柔らかい皮膚。
また番を失うかもしれない恐怖。
全てが心配でたまらない。
「きゅ~」
うろうろとしながら大を待つ。
ガサガサと植物を掻き分ける音が聴こえてきた。
頭を上げ、音がした方向を見つめる。
「きゅー!」
大だと分かった瞬間、目を輝かせて走り寄る。
「おーゴッキー、ただいま」
大に頭を撫でてもらい、嬉しそうに触角を振る。
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