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「ふ~食った食った。残りは干し肉にするか」
果物と一緒に炒めた鹿肉を平らげ、大は上機嫌で口を開く。
生い茂る草の上に、寝転がる。
「きゅ~……」
食べ過ぎたのか、ゴッキーは腹を上にし苦しそうに鳴いている。
「馬鹿だなぁ。あんなに食うからだよ」
「きゅう」
大に苦笑いされながら言われたのが悔しいのか、ふてくされたように返事をする。
「きゅ?きゅきゅ!?きゅー!」
起き上がろうとして起き上がれないのに気づき、なんとか起き上がろうとして脚をじたばたと動かす。
「きゅー!」
笑いながら見つめている大に、見てないで助けてよ、と助けを求める。
「馬鹿だなぁゴッキー。俺の真似なんかするからだよ」
気怠げに起き上がり、ゴッキーの背に手をかけ、ひっくり返す。
「きゅ~……」
安心したのか、四肢と触角を地面に投げ出した。
「全く、もう真似するなよ?」
「きゅ」
「さてと、洗うのは明日にして、今日は寝るか」
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