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「さすがです」
聖沍の元に桐太が来た。その顔は笑っていた。代わりに聖沍はあんまり納得いかない表情。
「たく、方山よ、おまえがやれよな、実力あんだから」
頭を掻きながら彼は言った。
「いえ、あれは私の柄ではないので」
「柄、て」
「私は前衛でやり合うより後方支援の方が向いてるのです」
「まあ、わからないでもないが」
やっぱり納得いかないな~、と彼は思いつつ
「さあ、戻りましょう」
「ああ、でも」
「はい?」
「あれ」
聖沍が指差す先には四足歩行の異形のものが何体かいた。
「また、出てきて……」
せっかく倒したのにとぶつぶつ言いながら桐太は構えた
「連中潰したら、戻ろうかね」
「では、よろしくお願いします」
「え、ちょ」
どうぞ、と桐太は聖沍の後ろに退いた。
「いや、うーん」
やっぱり納得いかないな。
そう思いながらも彼はこぶしを握った。
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