その1!

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「さすがです」 聖沍の元に桐太が来た。その顔は笑っていた。代わりに聖沍はあんまり納得いかない表情。 「たく、方山よ、おまえがやれよな、実力あんだから」 頭を掻きながら彼は言った。 「いえ、あれは私の柄ではないので」 「柄、て」 「私は前衛でやり合うより後方支援の方が向いてるのです」 「まあ、わからないでもないが」 やっぱり納得いかないな~、と彼は思いつつ 「さあ、戻りましょう」 「ああ、でも」 「はい?」 「あれ」 聖沍が指差す先には四足歩行の異形のものが何体かいた。 「また、出てきて……」 せっかく倒したのにとぶつぶつ言いながら桐太は構えた 「連中潰したら、戻ろうかね」 「では、よろしくお願いします」 「え、ちょ」 どうぞ、と桐太は聖沍の後ろに退いた。 「いや、うーん」 やっぱり納得いかないな。 そう思いながらも彼はこぶしを握った。
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