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由香に通学路を教えてもらいながら、転校先の学校に向う。
向う時と、帰るときしか通らないから覚えられる自信はないんだけど。
「由香」
「どうしたの、ゆーお姉ちゃん」
もう僕はお姉ちゃんで固定なわけですか…。二人の時くらい普通に呼んでくれ…。
「僕の転校する学校の名前…まだ聞いてないんだけど…」
「あー、そっかぁ、急だったみたいだしねぇ」
そうかそうかと頷きながら言う。
「ゆーお姉ちゃんが行く学校は氷憐高校(ヒョウレン)って場所だよ。」
氷憐?
かなり有名高校じゃないか。
過去の東大合格率90%超えで就職率もほぼ100%。
夢の学校だ。
「なんだかんだでしばらく頑張れば未来は明るそうだな」
「そうだねー、フフフ」
今は女装が辛くても、乗り切れば未来は明るい!!!
そう信じて僕は男の娘になることを多少なりとも決心した。
通学に要する時間は電車も含め、30分程度だった。
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