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待て?
この人は何を言っているんだろう。
早く行かなければ、琥珀は死んでしまうかも知れない。
なのに…
「無理です。早く行かなきゃ…」
ガシッ
腕を掴まれた
「本をよく見ろ」
海皇寺さんは私に本を渡す
私はさっきの呪文を見た。
『悪魔王国への門』
あ。
「こっちだ。」
海皇寺さんは私の腕を引き、もう一つの門へ入った。
門の中は真っ暗で、少し不気味。
私は海皇寺さんの服を握り、ゆっくりと歩いた。
ゆっくりと歩いている場合じゃない。
琥珀が…
「海皇寺さ…!!」
海皇寺さんは私の口をふさいだ。
「静かに。奴らが起きる」
奴ら?
「ウガァァァァァァ!!」
門に大きな声が響く。
後ろから、何かが来た
「春、走るぞ!」
海皇寺さんは私を引っ張って走る
「あっ!!」
私はつまずき、転けそうになった
「春!!」
海皇寺さんは私をお姫様抱っこをした
「少しの間、目を閉じてろ」
私は目を閉じた。
「ギャァァァァァァァ!!!」
頭に悲鳴のような物が響く。
「もういいぞ。もう少しで門から出る」
私はゆっくりと目を開けた
本当だ。
光が見える。
「絆!!春ちゃん!!」
佐実川さんの声が聞こえる。
「掴んで!!」
私達の前に手が伸びてきた
その先にいるのは佐実川さんだった。
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