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「痛かったな~、さっきのビンタ。」
佐実川さんは私が叩いた方の頬を触った
「知りません。貴方が悪いんでしょ。変態。」
「春、お前に頼みたい事があるんだけどさぁ…」
海皇寺さんが真剣な顔をして言った
「何ですか?」
「待って。もう少し後でも…」
「駄目だ。今、言った方がいい。」
何の話だろう?
「でも…!!」
琥珀が泣きそうな声で叫ぶ
「大丈夫だ。」
「嫌だ。また、あの時みたいに…」
「ならない。絶対に。」
あの時…?
「僕、知らないから。どうなっても知らないよ!」
琥珀は泣いていた。
あの時とは何なのだろう
「あぁ、わかった。…春。」
いきなり名前を呼ばれ、私はビクッとなった
「何ですか?」
「頼む、力を貸してくれ。」
海皇寺さんは私に頭を下げた。
「どういうことですか?」
私は理解が出来なかった。
「今から話す事を信じると約束出来るか?」
「…はい。」
私の口は勝手に動いていた。
「…俺達は、動物王国の王子の息子だ。そして、動物王国から逃げてきた。で、今、動物王国は崩れかけている。それを助けるために人間の力が必要なんだ。」
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