カゲロウデイズ

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「おい、悠人」 「え?」 そんなことを考えながら頭を抱えていると、隣の席から飛んできた声が俺の耳を掠めた。 すかさずその方を振り向くと、教科書に隠れながら話してくる男子生徒の姿があった。 俺の友達、白石健人(しらいしけんと)。 お調子者で、いつもやんちゃななことばかりやっている、女好きな奴だ。 先生の視線を気にしながら、俺も視線を健人に合わせる。 「なに?」 「なんの夢見てたんだよ? ハーレムか? それともエロティックなやつか?」 なんなんだ、コイツは。 「授業中に話しかけてきたと思ったら、相も変わらずそんなくだらないことかよ」 「いや、くだらなくはないぞ。もしお前がエロティックな夢じゃなく、男同士の宴の夢なんて見ていたらどうするんだよ!」 いや、そんな本気で言われても……ってか、お前の思考回路、間違いなくどこか断線してるだろ……。 「そんな意味の分からない夢なんて見ねえよ。というか、そんなくだらない用件で授業中に話しかけてくるな、気が散る」 「寝てた奴がよく言うよ。でも、本当に伝えたい用件は別にある」 健人はそう言って、妙に真剣な顔つきになった。
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