カゲロウデイズ

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俺の名前は白雪悠人(しらゆきゆうと)。 どこにでもいる高校二年生だ。 俺は日頃から常に、平凡という日々を望んでいる。 世間には面倒事などに自ら関係を持ちたがる人間がいるが、俺にはその気持ちがまったく理解出来ない。 というより、平凡を心から望んでいるにも関わらず、過酷で残酷な運命を背負わされ、波乱万丈な人生を送るしかない人間がいると考えると、そういうものに自ら関わるということが出来ないという方が正しいかもしれない。 普通に進学して、平凡な就職先に就職して、人並みに収入を稼いで、何事もない毎日を送ることさえできれば、それで幸せなんじゃないんだろうか? 少なくとも俺は、それでいいと思っている。 もちろん、余計な面倒事を自ら起こすなんざもってのほかだ。 しかし……そんな俺としては、今の一件は大失敗だ。 言わずもがな今は、本日五時限目の授業が行われている。 授業に夢を見るなんて小学生か、俺は……。
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