アクト1 夢への切符

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「ふぅん、楽しみっちゃ楽しみだが…… 懸賞応募かよ……絶対無理だよな」 教室で雑誌を広げていた少年 響 幹久(ヒビキ ミキヒサ)はインターネット経由でマンガ雑誌に掲載された情報にため息をつくと 金髪に染めた髪をクシャクシャと撫でた 雑誌の日付は一昨日 雑誌によるとキャンペーンの開始は更に昨日 つまりは3日経っている ちなみに懸賞応募の締切日は明日である 「はぁ……」 「よう、なに浮かない顔してんだ?」 そんな幹久の元にボサボサの髪の小柄な同級生 青山 照間(アオヤマ テルマ) がやって来た 「ん? あぁ、ABADSの懸賞があってな」 幹久はそう言うとすっと隣のページのABADS関連の懸賞を指す 実は幹久、隠れオタクなのである 普段は人並みのアニメやマンガの知識しか持っていないように見せて、自身は流行りの服や男らしい態度をとっている この態度も偽りでは無いのだが、ようは自身の趣味を他人に言えない限定的なシャイだった
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