桃園の誓い

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俺「あ~っ。お腹いっぱいで満足すぎるー。ごちそうさま」 ベッドから降り、お腹を撫でて満足でしたと呂布にアピールを見せる。 呂布「それは良かったな。だけど…汁、ほんとにいらない?」 少女は若干しょんぼりしていた。どうやら拉麺はスープまで飲み干す主義らしい。 けど。 俺「満足です」 寝転んでいる俺にスープを飲ませ様とした娘の主義など蹴散らしてくれるわ。口からスープを湧き出る様に溢れさせる俺は滑稽だったか?ん?。 呂布「……そうか。美味しいのに」寂しそうにずずっと音をたてて残った汁を飲む娘。 こんな能天気そうな可愛い女の子が本当に呂布奉先なのかね?本気で疑問だ。 俺「次の機会には全部美味しく頂くよ。体調も回復したし……あ」 そう言えば、まだ助けてもらったお礼を言ってなかったな。 俺「呂布」 呂布「…む?」 俺「助けてくれてありがとうな。あそこで発見されてなかったら今頃あっちの世界で神様殴りに行ってたわ」 まぁ生き残って歴史を変えても殴るけどな。PCに叩きつけられたし。 呂布「……志郎」 俺「あー。殴りに行くで思い出したけど、じじぃにも仕返ししなきゃいけないなー。……豚骨拉麺あたりいっとくか?」 呂布「む。志郎!」 ?……あ。北斗神拳を使いそうな俺の名前か。 俺「なんだ?」 呂布「志郎は神様が居ると思ってるのか?」 俺「あぁ。居るよ。確実に」 断言するぜ。不法侵入してくつろいでいる神様ってやつがな。 呂布「……そうか」 期待した返事をもらえたのか、少し嬉しそうに微笑む少女。 不意に見せるその表情を見て、逆に尋ねずにはいられなかった。 俺「呂布は神様って居ると思う?」 呂布「…わかんない」 またしょんぼりする少女。 俺はそれが妙に寂しそうに見えて。 俺「絶対居るから大丈夫だっ。今度紹介するよ」 自然と呂布の頭をなでなでしていた。 呂布「っ。自分で見付けるからいいっ」 手を払い除けられた。ちょっと調子に乗りすぎたかね。 呂布「……いい拾い物をした」 にぱーと笑顔。 俺「拾い物って俺の事か?」 呂布「他に誰が居る?」 ……なるほろ。単に照れただけなんだな。正直に言葉と態度に表す辺り歴史に書いてある人物像、呂布奉先らしく思える。 俺「………」 歴史と言う単語が頭を過った瞬間。思い浮かぶ。 「呂布と言う人物は裏切りを重ね。最後には自分も裏切られて末路を迎える」 そんな文字が。
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