桃園の誓い

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女性「ほほぅ。成る程。異国から来た兄さんをお嬢さんは案内していた訳だね」 呂布「うむ。情けない下僕の為に心優しい俺様は案内してやるんだ」 俺「情けなくてすみません。以後善処します」 女性「はっはっは!可愛い上に優しかったら最強だな!」 豪快に笑う女性。 呂布「っ。そうだろうそうだろうっ」 嬉しそうに頷く呂布。 俺「そうですねー(棒読み)」 あの後から無視され続け空気になる俺。会話に参加しても無視だぞ。泣きたい。 二人「あっはっはっ」 楽しそうに会話する二人を横目にやる事も無いので女性が並べている物を見る。 お?これ見た事あるぞ。 そこには大小様々な草鞋(わらじ)が綺麗に並べられていた。 呂布「ねーねはこんな所で何をしているんだ?」 女性「あぁ。俺はこいつを売ってるんだよ。勉強が嫌になって気分転換がてらにな」草鞋を手に取り見せてくれる。 呂布「わらじ?」 女性「編むのが趣味なんだ。どうだい色男、1つお嬢さんに買ってあげないかい?それでさっきあった件は無かった事にしてやるよ」 やっと空気から実体を持てた。ここからは俺のターン。呂布に草鞋を買って機嫌なおしと行こう。 と。言いたい所だが。 俺「お金が無いれす」 女性「ありゃ?甲斐性が無いねぇ。今まで良く生き残ってこれたもんだ」 いえ。これから生き伸びなければいけないんです。呂布に発見されなければさっきアウトでした。 女性「……ふーん」 俺「…?」 なんだ?じろりと品定めをする様に俺を見てるぞ。やめろ。身体がむずむずする。 女性「ふむふむ……よし」 間を置いて。 女性「何か珍しい物でも持ってないかい?物々交換といこうじゃないかっ」 提案を出してきた。 なる。さっきから見ていたのはそう言う事ね。 女性「服でもいいぜ?」追い剥ぎかっ。 俺「何か…ねぇ。よっと」 ポケットをごそごそと漁ってみる。 俺「ん?」 何か物が入っていたので取り出してみた。 手を広げると百円玉がきらりと輝きを見せていた。お釣りとかでポケットに入ってたんかな?。 女性「なんだいそれ?」 俺「俺の国で使われているお金」 女性「珍しい!」 即行だった。言うや否や俺の手から奪い取り、代わりに草鞋を置いて嬉々乱舞する女性。強引すぎるだろJK。 ……まぁいいか。胸を揉んで百円なら安いと考える事にしよう。 さて。 俺「片足あげろい」 しゃがんで呂布の片足を持ち上げる。
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