桃園の誓い

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呂布の父親って言えば、俺が知っている限りでは「丁原」と言う父親だけだ。 まぁ。その丁原も義理の父らしいけど。 自分が好きな知識を増やしたい症候群な俺は、呂布が言う「本当の父親」って人物に興味が湧いた。 聞いてみる事に。 が。 その前に。 女性「……うふふ」 呂布と俺をにゃけながら生温かい目で見ているこやつを何とかしたい。 俺「あの」 女性「あらあら。もういいのかしら?お姉さん邪魔しちゃった?」邪魔です。 急に親戚のおばちゃんになるな。しかもお姉さんって所だけはきっちり強調しやがって。 俺「いえ。軽く鬱陶しかっただけですから」 女性「軽く言うねぇ…色男…」 俺「根が正直な者で」 女性「ならば良し!」 その台詞曹操辺りが言いそうだぜ?。 おっと。 俺「そんな事より呂…」 再び呂布に尋ねようとした時。遠くの方から。 ?「貴様と言う奴はあああああ!!!!!」 こんな声が聞こえる。 女性「っやばっ」 俺「さっきから邪魔ばかりっ……!!」 怒鳴り付けてでもやろうかと目線をやると。 お爺様「また勉強を放り出しおってえええええ!!」 地響きでも起こしそうな声を上げながら鬼の形相で走って来る、明らかに年齢以上に体力を持て余してそうなお爺様がこちらに向かっておられた。怖ぇ。 呂布「おお。鬼気迫るじーじ」 女性「あちゃー。あれ本気で怒ってる時の盧植(ろしょく)先生だよー……一時間は説教覚悟しないとなぁ……」 泣きそうになりながら、ため息まじりに女性が呟く。 俺「ろしょく…先生?」 女性「勉強を見てくれる先生様だよー」 俺「あぁ。確か息抜きに勉強を抜け出して来たとかなんとか」 女性「逃避行って選択肢も今追加されたぜぇ……」項垂れる女性。 そんな会話をしていると数秒経たない間にお爺様到着。膝を押さえて肩で息をしていらっしゃる。 盧植「き、…はぁっ…き、…はぁっ」落ち着け。 女性「あははっ。あんまり無理すると体に障るよ?せーんせ?」 盧植「だ、だ、誰の…せいじゃとっ……!!」 女性「走る先生かと思われます!」 盧植「お主じゃ!!…はぁっはぁっ……全くっ……」 呂布「大丈夫?じーじ?」心配そうに覗き込む。 盧植「はぁ……む?…ははっ。ありがとうお嬢さん。まだまだ若い者には負けんよ」そんな呂布の頭を撫でり。
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