664人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日の朝。
いつものように起きて、
いつものようにご飯を食べて、
いつものように家を出た。
ふと頭の片隅に引っかかることが……
なーんか忘れてる気がするんだけど、なんだっけ?
ま、忘れるぐらいだし、大した事じゃないよねーー
◆
「……ハッ!!」
思い出したぁーーっ!!
そういえば、昨日の昼休みに椎名から走って逃げたんだった……!
教室でも、もちろん会話なんてしないし……
気まずい。
かなり気まずい。
どうしよ……
どんな顔して会えばいいか全然わかんないよ……!
でも、思い出したのが遅過ぎた。
目の前には2-Iというプレートのかかったドア。
しかも、ドアに手をかけた瞬間に思い出したから、微妙にドアが開いている。
この状況はない。
どうしてまたこんなタイミングで思い出すの、私!
……椎名がいませんようにっ!
心の中でそう願ってドアを開けた。
“……ガラガラ……”
キョロ……キョロキョロ……
自分の席に向かいつつ、教室を見て椎名の姿がないか確認。
しかし、椎名の姿はない。
結局、HRが始まっても、1時間目の授業が始まっても、昼休みになっても、下校になっても椎名の姿はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!