2人が本棚に入れています
本棚に追加
長い戦いが終わった。
この世界が作られた世界であることを、身を持って知った博明は、あの半年前の壮絶な出来事を未だ昨日のことのように噛み締めていた。
山田直勝。
この世界の事実上の支配者はあれから姿を現さない。
全ては彼次第である。
彼の意志がこの世界の全てであるのだ。
しかしながら、最近博明は支配者の意志とは別に、そう、何か自然発生的な巡り合わせのようなものを感じていた。
それは果たして山田の仕業なのか?否か?
それを問いただす事は出来ない。
あの壮絶な事件以来、山田には一切会っていないし、そしてその半年の間に不思議な出会いがあったことは言うまでもない。
厳しい冷え込みに包まれたこの街。
そう、冬を迎えていた。
数日前に消えた亜紀。
彼女は何者なのか?
その出会いは四ヶ月前に遡る。
最初のコメントを投稿しよう!