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麻生博明と如月亜紀が出会ったのは、夏のど真ん中の8月上旬。
街は様々な熱気に包まれ、年々倒れて病院送りになる人は増加している。
温暖化によるオゾン層の破壊や海の水位の話などが、毎日ジャーナリスト達の宛のない討論がテレビを賑わすのだ。
博明と亜紀の出会いは、現実的な話とは遠い、まさにフィクションの恋愛ドラマさながらであった。
道に迷っていた亜紀が地図を片手に博明に道を訪ねたのがきっかけである。
街の交差点で信号待ちをしていた亜紀と博明。
亜紀は地図を何度もクルクル回しながら眺めていた。
それを見つめる博明。
やがて博明と亜紀の目が合った。
そして亜紀から博明に声をかけた。
「ここに行きたいんですが……教えてくれませんか?」
博明は地図を見る。
そして、目的地が偶然にも同じ場所なのがわかった。
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