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「いだだだだ!!」
「葛城様もっと優しくお願いします!」
これ以上優しくなんて出来ないとは葛城の声。
「…なぁあんたその羽しまえないの?」
「羽?ですか?」
「あぁ、まぁあんたが仮に妖精だとしたら出来ないことはないだろう?」
「か葛城様はまだ私が妖精でないと!?」
「小太りして玄関のポストに詰まる妖精なんて認めない」
「…!!存在否定!?」
妖精が叫んでる間もずっと引っ張っているんだがなかなかとれない妖精。
そんななか、葛城はあることを思い出し、玄関の鍵を開け部屋の中に入っていった。
「か葛城様みすてないでぇぇ!!!」
妖精は見捨てられたのだと大泣き。そんな妖精の声に眉を寄せながら葛城はキッチンからゴマ油を持って玄関に戻った。
「か葛城様ぁ!!信じておりました!!」
「はぁぁ。いちいちうっせぇ」
「本当はこの方法やりたくなかったんだが我慢しろよ」
俺の玄関。
「はい!!」
嬉しそうに返事をする妖精にお前じゃねぇとは言わない。だって面倒だから。
ゴマ油をポストに流し油まみれになった妖精を一気に引っ張る。
「ギャン!!」
そこから出てきたのは油まみれの小太りしたおっさん妖精。
「うわぁぁ!!油臭いぃ!!か葛城様ぁ、なんか私から香ばしい匂いが致します!!」
「ゴマだからな。はぁ勿体ない」
「てか、出れたんなら帰れ」
「いいえ、私には使命が!!全うせずに帰れば王様に叱られます!怖いんです、王様!私の羽をむしりとろうとするんです王様なのに!」
そう訴える妖精に葛城は、確かにこのまま帰すのは可哀想かと思い、妖精のしたたる油をタオルで拭いてから部屋に入れた。
「とりあえず脱げ」
「えぇっ!?葛城様のエッチ!!」
「はぁ…風呂入れよ」
「あ、なるほど」
妖精が納得し服を脱ぐ間葛城は桶に熱くないようぬるま湯をはり石鹸を妖精サイズに割る。
「葛城様ぁ脱ぎました」
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