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1人嘆いていると、女性が声を発した
「そうね…まずは自己紹介をしましょう」
そう言うと彼女は一拍おいて
「私は黒堂一乃(コクドウ イチノ)よ。職業は高校生兼資産家の娘をやってるわ」
若干の皮肉が混じった自己紹介だ
(ん?黒堂っていえば世界有数の巨大資産家じゃなかったか?)
世間にうとい俺でも名は知っているくらいだ
(分っかんねぇ………何で俺に声をかけたんだ?)
悩んでいるのを遮り彼女が話しかけてくる
「あなたはどうなの?」
「なにがだ?」
「自己紹介よ自己紹介。私にだけさせておく気?」
「ん、あぁそうだな」
「俺は白犬晃平(シライヌ コウヘイ)だ。職業は……冒険家だ」
あながち間違ってもいないだろう冒険家
すると一乃は怪訝そうな顔をして
「冒険家っていうのは何をするの?」
「中に星が入ってる玉を7つ全て集めようとしてる」
「ウケ狙いなわけ?」
「半分本気、半分冗談だ」
「変わってるわね…」
「ユニークだろ?」
「良い意味ではないけどね」
そこまで言うと、一乃は近くの店員に声をかけ、コーヒーを注文した
話が一旦途切れたところで今度は俺から質問をする
「で、本題に戻るが俺に何の用だ?」
「さっきも言ったとおりよ。私の護衛になってほしいの」
「何で俺なんだ?金持ちなんだったら、いくらでも優秀な護衛をつけれるだろ」
「それは今から話すわ」
そこで彼女は運ばれてきたコーヒーに砂糖を入れ、かき混ぜた後、少しだけ飲んで、またこっちを見なおした
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