通りすがりの紳士です

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「さすがに、もういねぇよな……」 また銃でも突き付けられたらたまらない 銃のトリガーを踏みつけて壊しながら、確認のために辺りの暗闇を目を凝らして探る 「これで全員のはずよ」 声が聞こえた辺りを振り向くと先程の女が立っていた 「そりぁ良かった」 晃平は身体に付着した埃を手で払い落としながら答える 「あんた……傭兵か何かなの?」 「なんでそう思う」 「だってアクション映画みたいだったわ」 「見てたのかよ……」 普通なら足がすくんで その場から動けなくなるものだが そうとう図太い神経だ 「で何者なの?」 「貧乏な家に生まれた一般人だ」 まぁ、嘘にはなってないだろう 「ふ~ん。で、この人たちはどうするの?」 「どうもしねーよ。お前の好きにしてろ」 そう言うと 晃平はその場を立ち去ろうとする 「ちょ、ちょっと待ってよ」 女が呼び止めたので立ち止まる 「まだ何かあるのか?」 「そ、それはその…………」 「ないなら行くぞ?」 「だから、ちょっと待ってってば!」 また止められてしまった… 今日はよく止められる日だ 「そ、その……」 女はモゴモゴと今にも消え入りそうな声で呟く 「ありがと…ね………助けてくれて」
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