157人が本棚に入れています
本棚に追加
「さすがに、もういねぇよな……」
また銃でも突き付けられたらたまらない
銃のトリガーを踏みつけて壊しながら、確認のために辺りの暗闇を目を凝らして探る
「これで全員のはずよ」
声が聞こえた辺りを振り向くと先程の女が立っていた
「そりぁ良かった」
晃平は身体に付着した埃を手で払い落としながら答える
「あんた……傭兵か何かなの?」
「なんでそう思う」
「だってアクション映画みたいだったわ」
「見てたのかよ……」
普通なら足がすくんで
その場から動けなくなるものだが
そうとう図太い神経だ
「で何者なの?」
「貧乏な家に生まれた一般人だ」
まぁ、嘘にはなってないだろう
「ふ~ん。で、この人たちはどうするの?」
「どうもしねーよ。お前の好きにしてろ」
そう言うと
晃平はその場を立ち去ろうとする
「ちょ、ちょっと待ってよ」
女が呼び止めたので立ち止まる
「まだ何かあるのか?」
「そ、それはその…………」
「ないなら行くぞ?」
「だから、ちょっと待ってってば!」
また止められてしまった…
今日はよく止められる日だ
「そ、その……」
女はモゴモゴと今にも消え入りそうな声で呟く
「ありがと…ね………助けてくれて」
最初のコメントを投稿しよう!