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「腹…………減ったな…………」
そんなことを呟きながら
晃平は1人とある町を黙々と歩き続けていた
晃平が今いる町の名は
紅蘭市
人口、約180万人の
大都市と呼ぶに十分な場所
日々若者たちが、夢を追い、やってきては挫折と苦悩に苦しめられて、何かを失い、去ってゆく町
それでも、日々人口が増え続けている
理由は大きく分けて2つ
ひとつは、大手会社の本社が多数存在し、常に多くの人材を求めていること
もうひとつは
近年、とある理由より、辺りの人口の少ない都市のいくつかと合併し、急に面積が増加したため、空き地が多くなったからだ
今やこの都市の中心部の時価は跳ね上がり、大手会社の社長などの金持ちの家が立ち並んでいる
今歩いているのは
そんな都市の少し外れにある商店街だ
辺りは賑わっていて
多種多様な店が乱立し、
所々から売り買いや勧誘の声が聞こえくる
そんな商店街の中を
どこにも寄らずに進んで行く
ん?
なぜどこにも寄らないのかって?
そりゃあ、あれだ
金がないからに決まってる
「そこの兄ちゃん!何か買ってかないか!?安くしとくぜー!」
「ただなら買ってやるぜ~」
気持ちを知らずに声をかけてくる男を軽くあしらい進んで行く
「ねぇ、そこの君。うちの店で働かないかい?」
「どんな店だ?」
「こんな大通りの真ん中では言えな「断る」」
たまに変な奴が話しかけてくるが気にしない
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