ぼくらはほしになる

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僕らが認められないというのなら、 ぼくらはほしになる。 「…外は寒いね」 「知念くんが薄着だからでしょ?」 「そっか。龍ちゃんはコート着て暖かそうだね」 「暖かいですよ」 「僕も入れてよー、ギューってして?」 「…甘えん坊」 立ち入り禁止のビルの屋上に立つ僕らは、いつもと変わらない普通の会話をして、普通に過ごしていた。 これから死ぬというのに。 「ねぇ龍ちゃん?」 「なに?」 「…。やっぱなんでもない」 「なんだよ、気になるじゃん」 「別にぃ」 「気になるから言ってよ」 「んーだからぁ。…、僕たち、…気持ち悪いのかな…って…」 「…まだ気にしてるんだ?」 「当たり前じゃん。だから死ぬんでしょ?」 「そっか」 週刊誌に、僕らがキスをしたり手を繋いだり仲良く身を寄せ合っているところを撮られてしまった。 世間はそれを、気持ち悪いと言ったのだ。 マネージャーさんや関係者の人にも怒られたし、おかしいって言われた。 家に帰ったら、玄関には嫌がらせの言葉を書いた紙が貼られていた。 一番多かったのが、気持ち悪い、だった。 それに耐えられなかった僕と龍ちゃんは、一緒に死ぬことにしたんだ。 「なんで気持ち悪いの?だって好きなんだもん、しょうがないじゃん」 「知念くん…泣かないで」 「だって…っ、みんな酷いよ。好きになった相手がたまたま同性だっただけなのに…。気持ち悪くなんかないじゃん…!」 「世間からしたら確かに俺らは普通じゃないから、そう思われてもおかしくないんだよ。…でも俺は平気だよ」 「…なんで…?」 「だって知念くんがいてくれるから。周りがなんて言おうと関係ないよ。一番大切な人が傍にいるだけでいい」 「りゅう…」 「だから泣かないで?最期なんだからさ」 「…、うんっ」
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