神に愛された男

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 神代はすぐには返事を返さず、少しの間無言で何かを考えているようだった。  俺は焦らされているようでイライラしたが、なんとか気持ちを抑えて返答を待った。 「うん、その依頼受けよう」 「本当ですか!」  良かった。死因が金欠なんて嫌だからな。 「早くお願いします。無一文で困っていたんです」  喜びに湧く俺だったが、神代は突き落とすような言葉を吐いた。 「しかし、時間が長くかかることは覚悟ほしい」  もうすでに死が目前に迫っているというのに、ちんたらしてる暇なんてないぞ。 「僕はさっきも言った通り無一文なんですが‥‥‥」 「ああ、わかっている。これほどの力を持つ貧乏神に憑かれて、尚且つ視認しているんだ。まだ君が死んでいないことが奇跡みたいなものさ。君の生への執念が相当なものだったということだね」  このガキ、そんなにたちの悪い奴だったのか。 「私も早期解決が必要とはわかっている。しかし、神を相手にするのは骨が折れる。更に言えば少年はかなり高位の存在のようだね」  くそ、何でよりによってそんな奴に好かれるんだ。 「しかし、このまま君を放置しておけば、餓死やら何やらで君は死ぬことになる。それは私にとっても寝覚めが悪いことこの上ないからね。そこでだ、川崎誠」  俺の生死が懸かっていることだ。自然と体が前へ傾く。 「ここで働く、というのはどうだい?」
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