大学七不思議

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 神代が理事長に連絡するや否や、二つ返事に許可が出た。あっさりし過ぎていて拍子抜けする程だ。 「事務に行って許可証さえ貰えば、ここを好きなように使っていいそうだよ」 「なら今から行ってくる」 「私も行くよ。理事長の用件についても聞かなければならないからね」 「用件?」 「うん。何か解決してほしいことがあるらしい」  流石に無償ってわけにはいかないのか。 「ともかく行こうか。それにしても彼はとても大人しいね」  神代は貧乏神に目を向けた。  確かに静かだ。それに見た目相応に好奇心のまま行動していたのが、今はただひたすらに俺にしがみついている。神代を警戒しているようだ。 「そんなに避けられると私も傷つくな」  神代が悲しげにため息を吐くと、貧乏神は慌てて俺の背中から顔を出す。 「お、お姉さん、ごめんなさい」  神代はすぐさま笑顔を湛えて貧乏神を自分の下へ誘う。  神代が頭を撫でると、貧乏神はえへへと気の抜けた笑いを発する。
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