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二人にさんざんからかわれてから、カフェ代まで奢らされてから別れた。
「あ~、あいつらと会うと疲れる」
確かに否定はできないなぁ。
凌の隣でクスクス笑う。
「でも、僕は二人が好きだよ」
僕は凌と出会ってから好きな人がほんとに増えた。
人を好きになれるようになった。
人だけじゃない。
凌が好きって言ってくれる僕自身のことも好きになれてきた。
「……」
っと、しまった。
また凌の目の前で凌以外の人を好きだと言ってしまった。
「もちろん友達としてね」
ちゃんと言っておかないと。
「ん……分かってる」
そう言う割りに拗ねてるように見えるんだけど……。
好きな人にはいつだって笑顔でいてほしい、不安にさせたくない。
どうしたら喜んでくれるかな?
僕が悩みだすのを見越したように
「一緒お風呂」
ポツリと聞き逃しそうな程の声で呟く。
凌を見るともう拗ねてるようには見えない。
「あ」
つまり落ち込んだふりしたな!
もう!もうもうもうもう!
僕の罪悪感につけこんで、
……そんなズルいとこも好きだけど。
惚れた弱味だしょうがない。
「暗くしてね」
「やっぱり照れる叶斗は特別可愛いな」
凌って、ちょっと変態。
でもやっぱり、そんなところも好きなんだ。
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