執着

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涙をボロボロ零しながらも、ぎゅうっとしがみつく。 まだ信じられなくて離したら消えてしまいそうで怖い。 「すっげぇ嬉し過ぎて驚いてたら話す前に逃げるし、生徒会長から連絡もらっても帰ってこねーし……まさかと思ったらあんな……」 凌の顔がまた険しくなる。 「他の男と抱き合ってるとこなんか見たくねーんだよ!」 やっと…… ここまで言ってもらえてようやく凌の不機嫌な理由が分かった。 凌は嫉妬してくれたんだ。 僕……ほんとうに凌に好かれてるんだ。 「僕が…、っ」 やっと言えるのに…… 嗚咽で言葉がうまく紡げない。 「き……、すき、なの…は」 少し身体を離して、まっすぐ凌と見つめあう。 逸らさないでくれる、それだけで嬉しい。 「凌だけ、だよ」 ずっと好きだよ。 これからだって、凌が大好きだ。 コツン 当てられたおでこ。 至近距離にドキドキしていると、急にグリグリと擦りつけてきた。 「くそっ、可愛いな」 「かっ!?」 可愛くなんか……、でも凌に言われるんなら嬉しい。 嬉しくって 恥ずかしくって 照れ臭くって 「好きだよ、叶斗」 幸せだ。
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