執着

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好きな人に好きって言ってもらえるなんて……自然と顔が弛んでしまう。 嬉しい。 ふわふわする。 「へへっ」 オデコをぐりぐりされたままだったが、耐えきれずに照れ笑いが漏れた。 だぁいす…… ちゅ ……き? あ、あれ? ニヤニヤしていた顔がキョトンとなってしまう。 至近距離にある凌と目が合うと、ニヤリと笑っている。 ……あれ? 今、なにか……口に 口? 「に゙ゃっ!!!?」 ボン!!と音が出る勢いで体温が上がる。 だって、凌がっ…!! き、ききき…す、したっ 驚き過ぎて目が回る。 テンパってる僕を見て、凌はすっごいご機嫌だ。 にっこりしてよしよしと頭を撫でてきたり、ぎゅ~っともっと抱き締めてきたりする。 「そんな反応、反則だろ」 「はぅ」 「征服欲そそられっだろ」 って、またちゅっと唇に弾む感触。 人と付き合ったことが無い僕は、勿論キスなんて初めてで、ドキドキ胸が高鳴った。 あまりの近さや感触……二次元の世界にいた僕には知らなかったことばかり。 キスがこんなにくすぐったくて、感覚が触れている唇だけじゃなく触れ合った場所から体全体に響くなんて知らなかった。 指の先まで痺れて、ソワソワするのに心地いい。 「あの、…も、もっかい…」 言ってしまって恥ずかしくなる。 うわ、やっぱり凌驚いてる。 「あ、あの……」 ヤラシイ奴とか思われちゃった?
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