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笑い続ける僕に、バツが悪そうに赤くなった凌は目線を合わせてくる。
それから両手を繋いで
「キスしてもいいか?」
僕を恐がらせないように、ちゃんと確認してくれる。
その言葉に笑みはすっかり引いてしまい固まっちゃったけど、こくんと頷いた。
キスはドキドキする。
甘くて、くすぐったくて……やみつきになる。
そこから繋がる先の行為はまだ……正直怖い。
「……僕ね、びっくりしちゃって」
「うん」
「イヤじゃないよ」
「……分かってる」
分かってくれてる、ソレが分かるだけで安心しちゃう。
肩の力を抜いて、ゆっくり目を閉じる。
ふわって触れて、きゅうぅぅって胸が締め付けられるのは、もう反射みたいに連結されてしまった。
嬉しい。
すごく満たされてる。
だから、僕だって凌に同じ想いで居てほしい。
僕が凌を喜ばせたい。
「あのね」
キスの合間に吐息と共にこぼす。
「心の準備しとくね」
「!」
凌……すっごく驚いてて、つい吹き出しちゃった。
僕にどれだけの価値があるか分からない。
そんなに勿体つけたりするものじゃないのかもしれない。
けれど――
「じゃ、クリスマスプレゼント……とか?」
って、嬉しそうに提案してきたから、僕は苦笑しながら頷いてしまった。
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