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学校での僕はそんなに変わらなかった。
けれど、外での僕は大きく変わった。
根本にあるのは凌と釣り合うようになりたいという気持ちだ。
男らしい格好はまだ自信ないし似合わないけれど、女の格好はやめた。
そうやって弱い自分でいていいっていうのを辞めたかった。
凌は嫌がるかなと不安はかすめたが、ど…どんな僕でも可愛いって…言ってくれてる。
それからクリスマスの出来事だけど……それだけは僕と凌だけの秘密だ。
「……とか言うのよ!どう思う!?」
「どうせノロケになるんでしょ?聞いてやらなくていいじゃない」
僕は目の前の二人に、圧されて固まったまま曖昧に笑った。
二人とは仲の悪かったはずのふーちゃんとショコラさんだ。
二人の間で何があったのかは知らないが気があったらしい。
ふーちゃん曰く、戦った二人には友情が芽生えるものらしい。
「ほんと凌ったら叶斗には気持ち悪いくらい態度違うんだから、正直イメージ破壊よ。別れてよかったわ」
「うるせーよ、大体なんでショコラが叶斗に会ってんだよ」
「…………。」
ショコラさんはニヤリと笑うと、その細い指で僕の頬に触れた。
「叶斗の肌綺麗よね、手入れはどうしてるの?」
とても妖艶に微笑まれて僕は真っ赤になるしかない。
「っ!……勝手に触るな!」
「あら?心せま~い、こんな人やめたら?叶斗」
「余計なお世話だ!」
凌とショコラさんも以前とは違う形だが、いい関係に収まったように見える。
……仲のよさに妬いてしまう。
つい黙り混んでしまうと、ふーちゃんは愉快でたまらないとニヤニヤしてみてくるし……。
女の人って……怖い。
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