その後

6/6
前へ
/160ページ
次へ
二人にさんざんからかわれてから、カフェ代まで奢らされてから別れた。 「あ~、あいつらと会うと疲れる」 確かに否定はできないなぁ。 凌の隣でクスクス笑う。 「でも、僕は二人が好きだよ」 僕は凌と出会ってから好きな人がほんとに増えた。 人を好きになれるようになった。 人だけじゃない。 凌が好きって言ってくれる僕自身のことも好きになれてきた。 「……」 っと、しまった。 また凌の目の前で凌以外の人を好きだと言ってしまった。 「もちろん友達としてね」 ちゃんと言っておかないと。 「ん……分かってる」 そう言う割りに拗ねてるように見えるんだけど……。 好きな人にはいつだって笑顔でいてほしい、不安にさせたくない。 どうしたら喜んでくれるかな? 僕が悩みだすのを見越したように 「一緒お風呂」 ポツリと聞き逃しそうな程の声で呟く。 凌を見るともう拗ねてるようには見えない。 「あ」 つまり落ち込んだふりしたな! もう!もうもうもうもう! 僕の罪悪感につけこんで、 ……そんなズルいとこも好きだけど。 惚れた弱味だしょうがない。 「暗くしてね」 「やっぱり照れる叶斗は特別可愛いな」 凌って、ちょっと変態。 でもやっぱり、そんなところも好きなんだ。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1299人が本棚に入れています
本棚に追加