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かっこいい喜多川くんと、綺麗な笹塚くんに詰め寄られて、僕、どうしていいか分からないよ。
パニックで視界が潤む。
「ありゃ、刺激的すぎたかな?ごめんね?」
僕の様子が、からかう範囲ではなくなったと察知した笹塚くんが、喜多川くんの首根っ子を掴み体を引く。
「うをっ!」
「強引すぎた、ごめん」
ぺっ、と喜多川くんを放り投げて、よしよしと頭を撫でる笹塚くんは、いつものお兄ちゃんみたいに優しい笹塚くんだ。
「こーいうのは無理強いするもんじゃないよね?」
そうだけど…
嫌じゃなくて、畏れ多いんだ…。
ぼ、僕もね…もっと、仲良くなれたらって、思ってるんだ。
だから───
「な、ナツと凌が…い、や…じゃない、なら…」
たどたどしく2人の名前を、単語みたいに素っ気なく口にする。
呼び方をかえただけなのに…、響きが恥ずかしくて、くすぐったい。
顔が赤くなっていく。
「………叶斗」
「な、なに?」
笹塚く…じゃなかった、ナツ…に、初めて叶斗と名前を呼ばれて、どもってしまった。
「叶斗」
「うん?」
だから、どうしたの?
「叶斗…」
「は、はい…、なに?」
「もっかい、呼んで?」
えー…、そんな改まって言われると、注目されてるようでプレッシャー…
し、自然に言って流してほしかったのに…
「ナツ…」
うぅ…スッゴイ違和感があるよ…。
「かーなと!」
「へ?うわっ!!」
モゴモゴしていたら目を輝かせた…ナツ、に、飛び付かれてしまった。
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