心配する人

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顔を隠すために顔を押してけていると、ぐいっと背筋が伸びる感覚がして、ナツから引き離された。 え? あれ? 今度は僕が首根っこ捕まれてる? 縋るものがなくて、キョロキョロしているとズイッと目の前に凌のドアップが来た。 近すぎて心臓とまる…… 「あう…あの………、な、ナツー…」 どうしていいか分からなくてナツに助けを求めると、ナツは苦笑してるだけで助けてくれない。 どうしよう。 凌………ムッとしてるし…、もっかい謝ったらいいのかな? 「ごめんね、…いや、なら…今からでも…部屋戻す…」 「そうじゃねーだろ!」 ゴチン!という音が響いたあと、額に痛みが… 頭突き…された。 痛ひ……、くすん。 「なんでナツには甘えんのに俺には遠慮すんの?ずるくない?」 「へ?」 ……な、なに? 何に怒ってるの?迷惑かけてることじゃないの? 「ぶはっ!!もうたまんない!!凌嫉妬しておかしー」 困惑してる僕を放って、ナツはお腹抱えて爆笑してる。 ………ヤキモチ? それじゃ… 「…僕、凌困らせてないの?」 「…何に?」 うわ、真顔で返された。 本気でわかってない。 「だって、先輩に逆恨みされちゃうかもとか、巻き込まれたとか…ぼ、僕が変だ…とか…」 ゴチン! また頭突きされちゃった。
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