1298人が本棚に入れています
本棚に追加
痛むおでこを押さえて、涙ぐんでいると、凌はわざとらしい程のため息吐いた。
「…みくびんなよ」
「へ?」
「俺、そんなに友達に対して薄情に見える?」
「そっ!!…んなこと…ない」
あれれ?
なんか考えてた不安と違う展開に、どうしていいか…。
「じゃ、気にすんな」
頭をひねり続ける僕だったが、凌は解決したとばかりに体を放してにっこりと笑った。
……あ、なんか、嬉しい。
迷惑にならなかった。
それどころか気にするなって…もっと頼っていいって…。
胸がくすぐったくて、耳がむずむずする。
「ありがと」
安堵から力が抜けてふにゃと笑ってしまった。
「叶斗ー!!よかったねー兄ちゃんは嬉しい」
「ひゃあ!」
話が完結したのを見計らって、黙って見守っていたナツは飛び付いてきた。
「2人なら問題ないね、俺も安心だ」
至近距離で微笑まれると、恥ずかしくってアワアワしちゃう。
「ふふ…可愛いなぁ、つついちゃえ」
「だから!のけ者にすんなって!」
頬っぺたフニフニされてたら凌も交ざりに来るし。
ぎゅうぎゅうと押しつぶされて苦しいのに、すっごく楽しいや。
最初のコメントを投稿しよう!