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からかわれて、ぐったり疲れてしまった。
焦るって体温あがって、意外に疲労するんだなぁ…
ソファーに転がっている僕を、ナツがよしよしと撫でてくれる。
…僕、よく撫でられてるよなぁ…そういう立ち位置なの?
むー、納得いかない。
………でも気持ちイイから、跳ね除けようとは思わなかった。
人付き合いは苦手で関わらなかったから気が付かなかったけど、実は甘えん坊だったのかな?
ピリリリリ
はしゃいだ後の静かな部屋に、無機質な音が響く。
ケータイの着信音だ。
「あーどした?」
すぐにケータイを取り出し、親しそうに話しだしたのは凌だった。
凌は、誰にでもフランクだけど…、砕けた言い方の中に甘い優しさを感じた。
今までの楽しい気持ちが一気に冷めると共に、悟ってしまう。
───彼女からだ。
「はぁ?…だから明日は撮影終わんの遅いんだって…うん…はぁーしょうがねぇな」
我儘を言われてるみたいなのに、どこか楽しそう。
なんでも許しちゃいそうな勢いで、優しい。
当たり前なんだけど、彼女は特別なんだ…。
…いいなぁ。
「…っ!!」
無意識に浮かんだ自分の考えを自覚して、カッと顔が赤くなった。
な、何だよ…
彼女が羨ましいって…ソレじゃまるで…。
『そんなに好きなんだ?』
ふーちゃんの声が頭の中で響いた。
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