弓月の失恋

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凌太の笑い声がする。 弓月は悲しかった。気づくと自然と涙が出てきていた。 凌太がケータイに耳をあてたようだ。 「弓月っ。昨日、別れよう、って言ったじゃん。それに弓月だって走って逃げたでしょ?あれってそういう意味でしょ?」 最後の言葉に弓月の怒りは最高潮に達した。 「り、凌太のバカ!!この分からず屋!!」 と叫んで、勢いで電話を切ってしまった。 あまりの大声だったために高校生の弟・悠貴がしかも微笑みながら部屋に入ってきた。 「姉ちゃん!フられたの!?」
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