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12月13日 俺にゃよ、いちみゃつにゃよ
我輩は猫である。名前はイチマツである。
冗談じゃねえぜ。
家に帰ったら、茶の間に変な空気を感じて、恐る恐る中を見回していると、背中を押されて急に出現した魔法陣に尻餅をついてしまった。
なにやってるんだよ。と黒雅を見上げると、アイツはニヤニヤしてやがった。
その瞬間魔法陣が目を開けられないぐらいに光りだして、次に目を開けた時には
俺は猫になっていた。
風邪ひいて俺に世話になっている間にこれかよと。
黒雅へ殺気を込めて全力で飛びついてみたものの、軽くあしらわれて胡座をかいた膝の上に座らされてしまった。
元に戻せ!と叫んでみたけど、どんなに叫んでも俺の口は、ニャーとしか言わなかった。
心なしか、黒雅がデレデレしてる気がしなくも無かった。正直気持ち悪いとも思った。
なぜか猫じゃらしが用意されていて、それを目の前で振られると意思とは逆に体が勝手に反応してしまう俺で楽しんでた。
それからと言うもの、効果は30分程だったけど、暫く黒雅の玩具にされて、身も心も疲れ果てた。
いつかこの借りは返そう。
そして明日には熱が残ってようが帰ってもらおう。
おしまい。
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