12月14日 くろまにゃ

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12月14日 くろまにゃ

俺は昨日の屈辱を晴らすべく、図書室に行った。 この前掃除しに来た時に魔法陣の本があったのを思い出したから。 胡散臭い本を一冊手に取り、色んな魔法陣を物色した。 中には、対象物を動物に変える物から死の魔法陣まで幅広くあった。 その中から黒雅が使ったであろう猫に変身させる魔法陣を選んだ。 そして、同じシリーズの本で効果を持続させる応用の文字を引いた。 完璧に仕留めたいから、魔法陣の理念から文字の組み込み方まで調べ切った。 準備万端。 午後5時を回った頃、魔法陣を書いた黒い紙(黒い紙だと気付かれ難くなるらしい)を持って職員室に向かった。 黒雅は演習場で生徒の相手をしているらしく、姿が見えない。 黒雅の引き出しの中にそれを入れ、黒雅がどんな状態で帰ってくるのか想像しながら家に帰っていく俺。 途中、俺の行動を始終見ていた教師に声をかけられたが、かくかくしかじか話すと、ぷぷっと笑って引っ掛かると良いねと去って行った。 随分心が広いな。 午後8時。 晩御飯を作り終えた時、玄関を引っかく音がした。 黒雅が帰ってきた音だった。 俺は猫じゃらしを片手に黒雅を迎えた。 かなり不機嫌な三毛猫は、ぶにゃー!と飛びついてきたが、昨日のように軽くあしらって猫じゃらしで強制じゃれっこを開始。 困惑しているような声とは裏腹に、俺と同じ様にやはり反応してしまう姿は面白かった。 黒雅はこんなことをしていたのか…。とちょっと悔しくなったので、猫じゃらしを持つ手をつい激しく動かしてしまった。 暫くたった後、黒雅に、二日程効果が消えない事を告げると、猫なのに開いた口が塞がらないという感じで固まってしまった。 あ、それとご飯はミルクとささ身だから。ということも付け足しておいた。 ああ滑稽滑稽。 実は変身を解く魔法陣も調べてあるけど、もうちょっと放っておこう。 おしまい
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