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「浪士が襲って来ないのは良いことだろう?毎回毎回斬り合いなんて俺はごめんだよ。」
藤堂は、相変わらずわざとらしいため息をつき続けている総司に向かって首をすくめた。
一緒に巡察をしている一番隊と八番隊の平隊士達も、藤堂の言葉に一斉にうなずく。
「でも、退屈は嫌なんです。あー~、何処かで事件か何か起きないでしょうか。」
「そんなこと、滅多なことがなければあるはずn「キャァーーーーーーーー!」……あったよ。」
ない、と言おうとした藤堂はいきなり聞こえてきた悲鳴に内心舌打ちする。
(こんな、いかにも事件です!!なんて悲鳴を聞いてみろ!!総司のやつ、きっと面白がって…)
チラッ、と横を盗み見ると、案の定、顔をキラキラと輝かせた総司がいた。
(あー、ダメだ。終わった。この分だときっと総司のやつ、余計なことにまで首をつっこむぞ!!)
総司と反対に、藤堂の周りの空気はどんどん重くなっていく。
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