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「ちょっと、藤堂さん?どうしたんですか、いきなり黙って?とーどーさーん??」
総司は目の前で手を振ったり名前を呼んだりしてみるが、藤堂はいっこうに気づく気配がない。
「どうしましょう…。速く現場に行きたいのに、藤堂さん、完全に自分の世界に入っちゃいましたし。」
うーん、としばらく考えていた総司だが、やがてポンッと手を叩くと平隊士に向かって、ニヤリと笑って言った。
「私、先に現場に行ってきますから。平隊士の皆さん、藤堂さんを頼みますね!!」
「し、しかし……。」
あまりにも自分勝手な言動に、1人の勇気ある平隊士が総司に意見するが……、
「た・の・み・ま・し・た・よ。」
『『はぃぃーーー‼』』
黒い笑みで迫られ、ほかの平隊士達も共にあえなく引き受けてしまった。
「じゃあ、頼みましたよ!!」
が、当の本人はどこ吹く風。最後にもう一度念を押すと、走っていってしまった。
((沖田隊長には、何があっても逆らってはいけない。))
平隊士達はしっかりと何度も胸に刻みこんだのだった。
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