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こんにちわ。僕、猫又のクロです。
今の時間は、いつもならご主人が学校から帰ってきてる頃合いです。
だけど、まだ帰ってきてないです。
遅いよ、ご主人。お腹すいた。
そして、ご主人の代わりに、知らない女が僕の指定席でぬくぬくしてやがります。
「そこ、僕の場所」
「こたつは最高だね。あ、これ欲しい?」
「塩は間に合ってるよ」
黒い着物を着た女が、僕のこたつで満喫なう。
…こたつは僕のJUSTICE(ジャスティス)。誰にもお邪魔させたくないアバロン。
ニャー。フシャー。
「私に威嚇しても、何もなんないよ?」
「フーフー」
「しゃーないねぇ。ほら、ここ代わってあげる」
「……ありがとうは言わない」
「いいよー。私は反対側に座るからさ」
おかえり、僕の理想郷。ぬくぬく。
ニャ~。
「あんた、【猫又】かい?」
「そういう君は、図々しくも、ぬらりくらりしてるから【ぬらりひょん】だニャ」
「正解ー。賞品は伯方○塩で」
「だから、塩は間に合ってる」
あ、そういえば。ご主人、壁に盛り塩作ってた。
やっぱり塩もらおうかニャ?
「それ、やっぱり頂戴」
「いくらでもどうぞー」
「でも、ありがとうは」
「言わない、でしょ?」
「うん」
やった。ご主人の役に立つ事ができる。
僕にとって、大切なご主人の役に立つことはとても嬉しい。
ニャン。ニャ~。
「それにしても、今日は遅いね」
「ご主人のこと?」
「うん。いつもなら、これぐらいの時間だしさ」
「僕、お腹すいた」
「私も」
「「早く帰ってきて(よー)(ご主人)」」
こたつはぬくぬくするけど、ご主人が居たらぽかぽかする。
こたつは体を。ご主人は心を。
本当に暖かくするなら両方ないとダメ。
うん。ご飯は欲しいけど、それが無くてもご主人には早く帰ってきてほしいニャ。
そんなある日の、帰りが遅いご主人と僕とぬらりひょんでした。まる(肉球形)。
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