第七章・火間虫入道

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ここでクイズ。というより質問だ。 大事とまでは言わないが、真面目に授業を受けている者に、ちょっかいをだす奴をどうするか。 しかも、毎回な。 「………」 「へいへい。あの先生こっち見てねーし遊ぼーぜ?」 窓側最後列の最高のポジションにいる俺と、その隣に座っている火間という女生徒。 ちょっかい出してくるのはこの火間だ。 最近転校してきたが、どうにも懐かれた、というか何かを邪魔するって変な趣味(本人は生き甲斐と言っている)で俺は迷惑している。 「おいおい相棒。オレがこうやって邪魔してんだからさー、なんか反応してくれー」 「火間。授業中だ。大人しく心臓止めてくれ」 「ハハッ。もとより心臓ねーのに止められるかよ」 「そうか。よかったな」 ごらんの通り。授業を受けている時はいつもこんなやり取りで、授業の内容なんて頭に入ってきやしない。 それに、俺が何を言っても適当な嘘を返してくるから何も言えなくなるんだよな。 『―――であるから、この数式を誰か……』 「数式ってよー、なんか約に立つのか?」 「先生。火間が解きたいそうです」 「ちょ!待てよ!オレ何も――」 『よし火間 入(にゅう)。解け』 「」 固まったようだ。いい気味だと思うな。  
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