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ぐちゃぐちゃにした部屋をそのままにして、俺は自分の部屋の行く事にした。
部屋から出て階段をあがると俺の部屋がある。
ドアを開けるとすぐ前にベッドだ。
そのベッド際の壁に、今日はクリスマスイブだから大人のサイズの靴下を"二つ"用意しておいた。
欲が深い奴と思うだろうけど、俺が欲しかったのは二つで、どちらも一番二番なんて決められないものだった。
だけど、もうプレゼントなんかいらない。何も欲しくなくなった。
「…父さんも母さんも嘘つきだ…」
『大嫌い』そう言って、俺は眠りについた。
シャンシャンシャン
不意に、そんな音が聞こえてきた。
シャンシャンシャンシャン
目をつむってるから見えないが、音で近づいてるとわかる。
シャンシャンシャンシャンシャン
窓の外、すぐそこに何か居るようだ。
シャンシャンシャンシャンシャンシャン
勇気を持って、ちょっと目を開けた。
カーテンを閉めてたからシルエットしか見えないけど、人型の影とこの前テレビで見た鹿の角(つの)みたいな影が見えた。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
そして、このシャンシャンって音の他に何か音が聞こえる。声だ。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
『ちょ!煙突がねぇ!入れねぇ!』
『いや姐御。ここ日本だから煙突なんて滅多に無いですよ』
『マジか!?え、でも、どうやってプレゼント配ればいいだよ!おいトナカイ!テメェこの窓ぶち壊せ!』
『無理。怪我する。絶対』
『気にするな!テメェあたしのペットだろっ?あたしの言うこと聞けば万事OKなんだよ!』
『いくらペットでも人権はあると私は主張します』
『人間じゃねぇじゃん。テメェトナカイじゃん』
『Oh! My God!(オーマイガッ!!)』
『おら!いけや!』
『いやああああああああああああああああああああああああああああ!!』
ドガシャンッ!!
結論、窓壊された。
勿論、俺は涙目でビクビクしてる。
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