6125人が本棚に入れています
本棚に追加
「いーなー!美桜!!」
そう悔しがる舞に耳打ちをする。
「あの課長、彼が私が忘れられなかった人なの。」
「うそっっっ!!!!??」
“本当”と言葉にする代わりにしっかり頷いた。
「おい、高島!早く来い!」
部長が私をせかす。
「あっ、はい!」
そして10年前の、あの時よりもすごくしっかりしていて、あの時と同じ笑い方をする椋先輩…改め、星野課長の前に向かった。
スーツをビシッと着こなした先輩は、本当に素敵で見惚れてしまう…
「椋先輩…」
ついそう呼んでしまいそうな自分をこらえて、笑顔を作る。
私だって、この10年で“大人な女”になったと言われたい…!
.
最初のコメントを投稿しよう!